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噛めないとなりやすい病気

  • 歯と健康

食べ物がうまく噛めない、噛みにくくなると、歯とは別のところが悪くなる可能性があります。

2007年、大阪大学で、どのくらいものが噛めるか調べる検査をしました。その中で、噛む能力が低かった下から25%の方々を噛めない群、それ以外の75%の方々を噛める群として、他の全身の病気との関係を調べた論文があります。結果としては、グラフのようになりました。

グラフの⭐️マークがついているところが差があった病気です。

消化器系疾患(胃や腸の病気)と骨関節系疾患(骨や関節の病気)が噛めない人は噛める人に比べて患いやすいという結果でした。

噛めないと、食べ物を丸呑みに近い状態で飲み込んでしまう傾向にあります。噛むことによって、食べ物は唾液と混ざり合います。唾液には消化吸収を助ける成分が含まれており、胃や腸の補助をしてくれます。それで、より食べ物の栄養を体に吸収しやすくなります。そういった理由で、このような結果になったのでしょう。

胃腸が悪い人は、適切に噛むことや噛める歯の状態にすることで改善する可能性があるかもしれません。また、胃腸や骨、関節が悪くならないように歯の健康な状態を保つことは大切なことです。

野首孝祠 (2007) QOLの向上にむけた咬合・咀嚼への取り組み. 日本咀嚼学会雑誌 17(1) : 3-15