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大手3社の電動歯ブラシを比較してみた。

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家電量販店などで販売されている電動歯ブラシ、主要3社に関して、実際に購入して、使用しました。

電動歯ブラシの購入を検討している多くの人が、どれを買えば良いか迷われている方が多いので、参考にしていただきたいです。

しかし、これは、歯科医師ではあるが一個人の意見であること、また、購入時期がばらついているので、正確な最新の比較ではないこと、全てのモデルを吟味していないことに留意していただきたい。

この比較に、利益相反はありません。

 

比較したものは

・フィリップス HX9350 ダイヤモンドクリーン

・パナソニック EW-DL37 ドルツ

・ブラウン Type:3753    オーラルB  iO Series 6

 

 

 

・フィリップス HX9350 ダイヤモンドクリーン

この中で、一番使用期間が長いのがフィリップスです。8年ほど使用してますが、壊れたことはなく、バッテリーの持ちも十分あります。替えブラシは、スタンダードタイプを使用していましたが、コンパクトサイズの方が細かいところが磨きやすく、以降、コンパクトタイプを使用してます。性能的には問題ありません。

色々な機能が付加してますが、標準のクリーンのみで良いです。ホワイトニングモードもついてます。確かに、ホワイトニングというか着色除去ができますが、歯磨きで着色除去を希望される場合は、歯磨き粉をホワイトニングに焦点を置いたものを使用する方が良いと思います。

よって、この歯ブラシをおすすめする患者さんには、ソニケアーケアー3100シリーズをお勧めしています。

 

・パナソニック EW-DL37 ドルツ

日本のメーカー、パナソニックですが、後発のものなので、非常によくできていると思います。まずヘッドがスリムでネックも一番、スリムになっており、お口の中での操作性は高いです。かつ、極細毛ブラシをこの薄いヘッドに植毛するのは、かなり大変だったろうと感じます。

当院では、ワイヤー矯正される方には、このドルツを無料提供し、極細毛のソフトモードで使用していただくよう説明しております。普通の歯ブラシでは、きれいに磨くことは困難で、かつ矯正装置への配慮を考えると、この電動歯ブラシをお勧めしております。

また、替え歯ブラシの価格が他の2社よりも安いのもメリットになります。

 

・ブラウン Type:3753    オーラルB  iO Series 6

今回、比較したフィリップスと同時期に、ブラウンオーラルB ジーニアス9000 D7015256CWHを購入したのですが、フィリップスダイヤモンドクリーンの性能、利便性、汎用性が高かったため、フィリップスを長年使用していましたが、今回、iOが発売されたので購入し、性能を確かめました。

ちなみに、ブラウンの電動歯ブラシは、歯ブラシが良いか、電動歯ブラシが良いかという論文の比較検討によく使用される歯ブラシになります。

他の2つの電動歯ブラシとは異なり、回転運動で歯垢を落とします。今回、iOになり回転運動とともにブラシも振動することでさらに、歯垢除去力が上がりました。実感としては、この3社の中で磨いたツルツル感は最も強いと感じました。ジーニアス9000とiO、2つを比較すると、ジーニアスは回転運動にバラつきのような振動があるのに対して、iOはそのような振動はなく極めて効率的に歯垢を除去していると考えられます。

しかしながら、複雑な動きのためヘッドが大きくなり、一番奥の奥歯を磨くときに歯ブラシのヘッドが頬に当たってしまうことがあるので、頬っぺたの柔らかさが硬い人はこの歯ブラシは避けたほうが良いと思います。それを補うために歯ブラシは小さくしているのではないかと思います。またジーニアスから変わってないのですが、使用中に唾液がネックを伝って、汚れやすい傾向にあります。歯ブラシて唾液が出るのは、とても良いことなのですが、それが煩わしさにもなります。よくも悪くも、欧米向きの欧米で開発された電動歯ブラシです。

iO+アルティメイトクリーンブラシになって、大きく進化しました。私はiO6を購入しましたが、お勧めは、iO3が良いと思います。iO6はモードが色々ありますが、基本の標準クリーンで必要十分だと思います。また、ブラッシングガイドは自分の癖がわかったり、なくなるのは良いと思いますが、わざわざスマホを持って歯ブラシをするのは3日坊主になるかなと思います。よって、必要十分のiO3と浮いたお金で替ブラシを補充するのがお勧めです。

 

 

結論

どれが一番良いとは、言い難いです。自分にあった歯ブラシ選びが重要です。

・万人に勧められるのは、フィリップスとドルツ。フィリップスは振幅が大きく、ドルツはフィリップスに比べ、振幅が小さい。よって、歯茎がデリケートな方はドルツをお勧めします。一方、普通の歯ブラシで、「柔らかめ」よりも「ふつう」硬さを好まれる方は、フィリップスをおすすめします。どちらも、歯垢除去(清掃)能力に大きく差は無いように思われます。

・ブラウンは歯垢除去の性能はかなり高いです。とにかくツルツルに磨ける歯ブラシが欲しい方はこの製品をお勧めします。しかし、ヘッドが大きいので頬っぺたが伸びにくい人、硬い人はおすすめできません。また、ブラッシング時の唾液がハンドルに垂れてくるので慣れが必要です。

・ワイヤー矯正をされている方はドルツの極細毛ブラシ(コンパクト)がお勧めです。

いづれの製品にせよ、電動ブラシのみで歯垢は完全に除去できません。歯と歯の間の歯垢の除去が不完全であるからです。歯間ブラシやデンタルフロスの併用を推奨します。

また、便利な道具である反面、間違った使用をすると歯茎が下がったり、知覚過敏が生じたりする可能性があるので、適切な歯ブラシの交換や正しい使用方法を守る必要があります。